蔓薔薇
「抵抗も空しく、私は
 彼らに暴行された
  
 あの時、義父に受けた
 傷の上に、また傷が重なる
  
 もっと、もっと深く
 抉(えぐ)られ
 刻まれるように・・・」

確かに、心も体も
ボロボロになったけれど
 
それよりも私の心を蝕んだ
のは、ドア越しに立つ
彼の姿だった。
 
一部始終を見ていた彼は

言う・・・

『汚れたミオ
 かわいそうに・・・

 でも、安心しなよ
  
 俺がずっと
 傍にいてあげるから』

これは全て、彼が仕組んだ事だ
と知った時

私の心は、凍りついた。
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