姫の苦手はイケメン王子!?
「あんたみたいなイケメン大嫌いなの!近づかないで!」
俺は営業スマイルのまま固まった。
イケメンが、嫌い?
俺が、嫌い…だと?
初めて言われたぞ。そんなセリフ。
正直、この女は俺のタイプだ。
気強そうで、でも大人っぽくて、常識わかってそうで。
外に出たら男を立てるけど、2人きりでは対等。
雰囲気で分かる。
俺、コイツ気に入った。
「そ、そっか。ごめんね。」
少し下を向いて、わざと悲しそうに言う。
とりあえず、此処からでねぇと。
「それじゃぁ。」
そして何でも無い振りして笑顔作って出て行く。
自分でやっといてなんだけど…寒気する。
静まり返った教室を出て、顔を上げる。
時計を見ると、授業の始まる5分前。
廊下は誰1人いない。
俺が出た後の教室に女子の声が響いてる。
「俺をあんな風に…なぁ。」
小さく呟いて、先公に見つかる前に屋上へ。