姫の苦手はイケメン王子!?
「お前、王子って呼ばれてる奴だろ?」
目の前で、楽しげに笑ってる男。
ネクタイの色からして、先輩なのには違いない。
「王子じゃないですけどね。」
此処は謙虚に。
営業スマイルも忘れない。
「謙虚だな。俺は藤宮 光流。3年B組。」
「櫂燈 蒼空です。一応2年C組です。」
藤宮…同じ苗字?
兄妹か?
「1つ言っとくけど、こんなブスはお前みたいな王子には勿体無いからやめとけよ。」
「ちょっと!ブスって何よ!…否定は出来ないけどさぁ!」
後ろで叫んでる藤宮…妹の方な。
「おーい、俺等仲間ハズレ?」
忘れてた陸の方を見れば、嬉しそうに携帯を握ってる。
メアド交換まで終了ってか。
園崎さん、顔真っ赤だけど。
「さて、俺は帰るかな。」
踵を返す藤宮先輩。
(あいつは無理だと思うぞ…?)
忠告、ありがとうございます。
「おい、晩飯の買い物してくんじゃねぇの?」
「あ!忘れてた!」
「お前…ほら、さっさと行くぞ。」
「うん!海華!じゃぁね!」
そういって並んで歩く2人。
俺はその2人の後姿を見て、決めた。
諦めれねぇ。
俺は、この時点でこいつに…輝羅に本気で惚れてたんだと思う。