姫の苦手はイケメン王子!?
ま、そんなこんなで校門前に付いた私達。
校庭に入った途端に人だかりが…。
それも女子の大群が一部に、ぶわぁーってね。
こういうのは、大体の予想がつく。
私が1番関わりたくない厄介ごとしかない。
「きゃぁぁぁ」
「本物だよねぇ!」
「あの、写真撮らせてください!」
女子の黄色い声が校庭中に響いてる。
男子のみんなはさぞ迷惑だろうね。
「私と握手してください!」
え、海華!?
さっきまで隣に居たよね?
いつの間にそんな大群の中に…?
「海華ー。先行ってるよー。」
聞こえてはいないだろう海華に向かって一応叫ぶ。
さて、遅刻になる前に行こう。
1人で歩き出す。
玄関まで行くと、男子が大量に…女子はあっちに大集合だもんね…。
当たり前か。
「あの、ちょっといいですか?」
玄関前の男子(もちろんイケメンの部類じゃ無い人)に声をかけると、顔を背けながらスペースを空けてくれる。
いくらブスだからって…顔背けなくても。
まぁ、私も同じようなもんだし…お互い様っちゃお互い様か。
教室は2階。
「階段上るのダルイなぁ…」
呟きながらも階段を上る。
「おい、今日も可愛いよな。」
「そりゃ姫だもんよ。」
「声かけられるとかラッキー」
「お前、顔真っ赤じゃん。」
「うっせーなー」
男子の間でそんな会話が繰り広げられてるなんて本人は知る由も無い。