あの空をもう一度。


「……虹は、あたしたちを結ぶ虹色の糸」 


そう小さく、微笑みながらポツリと呟く君。

その口調は優しく、でも嬉しそうに弾んでいた。


不思議に思った俺は、どうして思っていたことが分かるんだ、と聞いたら



「ひとりでブツブツ言ってた」



と目を細めて頬を綻ばせる。



(……、恥ずかしい)


こんなことを、まさか君に聞かれていたなんて。



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