時計の針が止まるまで
再び動くとき



───
─────


「次はオレ壁掛け時計がいい。もう目覚まし時計なんて嫌だね」


俺と同じ時期に仕事を終えた仲間が、そんな愚痴をこぼした。


『じゃあお前は壁掛け時計に治してやるよ』


時計職人のおじさんがにっこり笑い、友達を修理しだす。


『お前は?』


「俺はもう一度、春子を起こしたい」


『誰に選ばれるかは運次第。目覚まし時計に修理してやるよ』


俺たち時計は寿命が来ると、修理して治して、他の箱の中で再び働く。


色んな時計の箱の中で、色んな人のところで、たくさんの時を知らせ続けるんだ。



『おや、お客さんだ』


時計職人が向いた方向には、セーラー服を来た女の子が立っていた。


「あの……この時計だいぶ古いんですけど、修理できますか」


『あぁ、ちょうどいい時に来たね』


にっこり笑った時計職人の手には、木製のダークブラウンの目覚まし時計が渡された。











end
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