アイスクリームみたいな恋したい!


『うん、何?』


『俺………………実は……』


何度も続く沈黙にあたしはもどかしさを感じる。




『俺っ転校するん…だ。』




『は?』


『いや、俺、転校する…。』


『え。ちょっ意味わかんないんだけど…。え?ウソ。え?』



………………………………。



『ごめん。これだけは、マジなんだ。いきなりで……
わけわかんないかもしんないケド。』



『う、うん。わ…かった。』


ポタッポタッ


『でも…やだよ。伊川…なんっでぇ?ずっと…バカやってきたのにぃ。ヒック…ヒック…』


ギュッ


『わっ。何で抱きしめんのよ?』


『ごめんな。こんな風に泣かせたくなかったんだ。だから、いえなかった。本当…ごめん。』

『ごめんなんていわないでよぉ。余計悲しくなるじゃん。』


ギュッ

『もぅやめてよ。悲しくなるんだってばぁ。』


あたしは伊川の胸をおす。

強く抱きしめられていて、中々動かない。


苦しい、苦しい、悲しい、苦しい。


苦しい原因が泣いてるからなのか、悲しいからなのか。

悲しい原因が伊川がいなくなっちゃうからなのか…


『もうわかんなくなっちゃった。』


チュッ


伊川はあたしの額にキスを落とした。


『えっ!何すんのよ!』

ドンッ

あたしは強く押したつもりだったが、伊川は男だ。

簡単に受け止められてしまった。



『も…う帰るね。』


あたしは伊川を残し、家をでた。


ペリッ

パクッ


ほてった体に、伊川のくれたアイスは
みるみるうちに溶けていった。

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