starlight



----------*.圭吾.*----------



篠宮はよく俺の所に来るようになった。

猫のように自然に。

でも、男慣れしてるようには見えない。

不思議な子だな。

会うたびにそう思う。

他の女子達が来ると追い払うのだが、

篠宮だけは何故か好きなだけ

隣にいさせた。

何をするわけでもなく、

喋ったり、

俺のパソコンを覗き込んだり。

本当に不思議だ。

でも、篠宮のことを少し知れた。

彼女も写真が好きなこと。

動物が好きなこと。

現在彼氏がいないこと。

モテそうなのに、意外だった。

「肩、揉みましょうか」

その言葉に動揺を隠せないでいると、

篠宮は慌てて逃げようとした。

行くなよ!!

焦って思わず腕を掴む。

真っ白で冷たいその腕は、

折れそうなほど細くてドキっとした。

俺の肩に置かれた篠宮の手はやはり冷たく、

小さく震えていた。

その震えが伝わって、

こっちまで緊張してしまう。

顔が火照るのが自分でも分かった。

だせぇ。

たかが女子高生じゃないか。

そう自分に言い聞かせながらも、

これがいつまでも続けばいいと

思ってしまっていた。

沈黙の後、彼女が手を離す。

残念に思う心に自分でツッコミを入れ、

足早に去っていく篠宮の背中を見送った。












< 11 / 87 >

この作品をシェア

pagetop