starlight




「ねぇねぇ知ってる?
 あの理科の先生」

突如晴香が話題をフッてきた。

「え??」

理科の先生って...先生のことだろうか。

「あぁ、あの桐谷先生?」

美奈が首を突っ込む。

やっぱり先生のことだ。

「そうそう!
 生徒からモテモテらしいね!」

「あ~、確かあたしが知ってるだけでも
 3、4人は告ってフラれてるな。」

「そうなのか?てかすげぇ情報網だな」

「くそー!男の敵だな、あいつ」

......先生が?

何人からも告られてる?

知らなかった。

先生を取り巻く女子の中に、

本気で先生のことを好きな人が

そんなにいたなんて。

何故か少し苛立ちを感じた。

「そうなんだ。」

平静を装う。

「ホントかっこいいよねー。
 落としちゃおうかな。」

軽々とそんなことを言う美奈にも、

苛立った。

ふと、春樹と目が合う。

苛立ってることを知られたくなくて、

すぐ目を逸らす。

ふ、と春樹が小さく笑った気がした。
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