starlight
----------*.圭吾.*----------
突然篠宮に腕を抱き締められる。
平静を装うが、かなりのパニック状態。
何でだ!?
何で篠宮が俺を!?
パニックのまま篠宮の顔を見る。
彼女は......
切なげな表情で、
涙を流していた。
どくん、と胸が大きな音を立てる。
何も言えない。
言葉が見つからない。
気付けば篠宮の頭に自分の手を置き、
ゆっくりと撫でていた。
彼女の真っ白な頬が、
ほんのりピンクに染まる。
我慢できなかった。
俺は篠宮の小さくて冷たい身体を、
きつく抱き締めた。
「...せん、せい」
戸惑いながら、
途切れ途切れに言葉を発する篠宮。
しかし、その細い腕は、
ゆっくりと俺の背中に回される。
胸が高鳴る。
離したくない。
すべて包み込んでやりたい。
想像よりも遥かにやわらかい彼女の肌に、
思わずキスしたくなる。
......自分の中に、こんなにも
激しい感情があったなんて。
しかし、俺は教師だ。
こんなこと...あってはならない。
俺は唇を噛み締めて、
ゆっくりと、篠宮の身体を離した。
「...ごめん」
他に言葉が見つからなくて、
恥ずかしいのとバツが悪いのとで
俺は情けなくうつむいた。
「...こっちこそ、ごめんなさい。
でもね、先生。
お願いがあるんです」
お願い?
篠宮が?
「...ん?」
「...メアド、教えてくれませんか」
涙で少し潤んだ彼女の瞳は、
俺をまっすぐ見つめていた。