starlight





ある日、将太のサッカーの試合を

みんなで観戦した。

将太はまだ1年ながら、

センスもあり努力家なので、

すでにチームのエースになっていた。

チームの得点の半分以上を将太が決め、

都大会へと進んだ。

「将太ー!ナイス!」

「お前神じゃん!」

「おめでとう!!」

試合が終わった将太の元へ

みんなで駆け寄ると、

将太は屈託のない笑顔を見せた。

「ありがとな!みんなが応援してくれたから」

「何言ってんの!将太の努力の成果だよ!」

「ちょ、そんな褒められっと照れるから!」

顔をくしゃくしゃにして笑う将太。

本当にサッカーが好きなんだなぁ。

私まで笑顔になっていると、

突然将太が私の前に来た。

「葵。話があるんだ」

「え......」

「俺すぐ着替えてくるから、
 ちょっと待っててくれないか」

「あ...うん...」

私が返事をすると、

将太はすぐ更衣室へ走っていった。

春樹と目が合った。

春樹は気付いてるらしく、

気まずそうに自分の前髪をいじった。

美奈はなるほどね、とだけ言って

スタスタ帰路を歩き出した。

晴香と竜也はポカンとしていたが、

美奈に続いて帰り始めた。

春樹は私の肩に手をポン、と置いて

帰っていった。





< 30 / 87 >

この作品をシェア

pagetop