starlight



その後、放送があって、

私は生徒指導室へ呼ばれた。

真面目に学校生活していた私には

初めての場所。

私が入ると、先生はもう来ていた。

緊張した面持ちの私に、

こっそりと笑いかける先生。

どうしよう。

大丈夫なのかな。

「今回の件についてですが...」

教頭が厳しい顔をして話し始める。

「本当ですか?桐谷先生」

「いえ。本当ではありません」

以前から、絶対認めずに逃げ切ろうと

先生と決めていた。

「篠宮さんも...君は優秀だったのに」

「いえ...だから、全部嘘なんです」

私も否定する。

「しかし、この写真は?」

「その写真に映っている2人が
 僕と篠宮だなんて、
 どうして言い切れるんですか?
 後姿なんて、似ている人はいくらでもいる」

「そうですが...」

「それに、篠宮は成績優秀だと言いましたね?
 必ずしもそれを妬む生徒がいないとは言えません。
 彼女を妬んだ生徒による
 嫌がらせの可能性が高いと思われますが」

スラスラと喋る先生。

クールな先生だからこその技。

「私...全くの嘘なのに、
 クラスのみんなから疑われて...
 こんな状態じゃ、学校なんて来れません」

声を震わせて嘘泣きをする私。

今まで散々大人に偽りの仮面を被って

接してきた私には、

造作も無いことだ。

学校トップの私が学校を辞めては困るのだろう、

教頭や校長も慌てて、

各教員や生徒に誤解を解く説明をしてくれた。










よかった。













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