starlight




それより......

1年生にノートの収集をかけたのだが、

まだA組だけ持ってきていない。

忘れてるんじゃないだろうな。

周りの女子を無視してそんなことを考えていると、

準備室のドアが遠慮がちに開いた。

「あの.......」

そーっとこちらを覗き込む生徒。

「1年A組の学級委員長か?」

「あ、はい。」

「よし。こっち来てくれるか?
 お前ら、俺は仕事があるから、
 そろそろホントに帰れ。」

「え~!アタシらと対応違うし~」

「お前らは遊びに来たんだから当然だろ。
 ほら、早く出てけよ。」

女子達を追い払い、学級委員長を中に入れる。

「悪いな。」

「いえ...。」

重たそうなノートの束を持ったまま、

うつむいている生徒。

その束をひょいと持ち上げ、デスクに積み上げる。

「重たかっただろ。男子の委員長はどうした?」

「明日試合らしいので...
 部活に出るように言いました」

「そうか。偉いな」

生徒は「いえ...」と言いながら顔を上げる。

目が合った。

時が止まる。

茶色がかった長く柔らかい髪に、

触れた瞬間壊れてしまいそうな真っ白な肌。

大きな、寂しそうな瞳。

思わず息を呑んだ。



















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