starlight
家でコーヒーを飲みながら
片付いていない仕事をしていると、
突然インターホンが鳴った。
「...はい?」
誰だろう、と思って
何気なく扉を開けると、
そこには俺の
大嫌いな女が立っていた。
「......何の用だ」
「何の用だ、って冷た~!」
派手な化粧と露出の多い服に、
いかにもチャラそうな口調の女。
西川咲(にしかわさき)。
元、彼女。
「用が無いなら来るな。じゃあな」
そう吐き捨てて扉を閉めようとすると、
咲は慌ててそれを制した。
「待って待って!用はあるから!
寒いから中に入れてくんない?」
「......入れ」
咲は「ありがとう」と笑みを見せると、
中に入り図々しくソファに座った。
「それで、何だ」
「聞きたい?」
「...ならいい。出てけ」
「もう~冷たすぎ!圭吾変わったね?」
...気安く呼ぶな。
「別に。あの時の俺は俺じゃない」
俺の過去が消える訳じゃないから、
そんなことは無いのだけれど。
「ホントにそうかな?」
咲はニヤリと笑うと露出した肌を
密着させて覗き込んできた。
......お前はいつもそうだ。
そうやって男をたぶらかす。
そんな咲を、何故彼女にしたのか。
俺にも、やんちゃな時代があったからだ。
昔からモテた俺は、
高校から大学にかけて、
女遊びを繰り返していた。
きっと
寂しかったんだ。
かなりの人数の女を泣かした。
今では後悔している。
馬鹿なことをした、と。