starlight
「頼むから...帰ってくれ」
弱々しくつぶやく俺の顔を、
咲は驚いたように覗き込む。
「圭吾、昔はそんなじゃなかったのに。
どうしたの?」
「俺には......葵しかいないんだよ。
この世界中の誰に言い寄られても、
俺にはもう葵しか愛せないんだ。」
咲は俺の頬を叩く。
痛い。
「馬鹿じゃないの!?何が愛よ!
そんな圭吾なんていらない」
うつむいたままの俺にそう吐き捨てて、
咲は出て行った。
壁にもたれかかる。
力が入らずに、座り込む。
「くそ......」
涙が止まらない。
恋愛で泣くなんて初めてだ。
情けない。
1番大切な人さえ傷つけてしまった自分が
不甲斐ない。
「葵っ......」
こんなにも
愛しいのに。