starlight
----------*.葵.*----------
泣きながら家に帰る。
暗いから、泣いてるのが
目立たなくてよかった。
そんなことを冷静に考えてる自分がいる。
裏切られた。
私が圭吾を1番好きだと思うように、
圭吾も私を1番好いてくれてると思ってた。
でも......
違ったんだね。
自惚れてたのかな。
圭吾と咲っていう女の人がキスしてるのを見たとき...
心臓が潰れてしまいそうだった。
ショックとか怒りとか寂しさとか
いろんな感情が混ざり合って
自分の中でうごめいていた。
それでも圭吾に
最後までウザいとか思われたくなくて。
笑顔で別れを告げた。
初めてだった。
慣れてるはずの作り笑いが
こんなにも苦しかったのは。
家の前に辿り着くと、
リビングの電気が付いてた。
お父さんとお母さんが寝てから家を抜け出したのに。
起きたのかな......
涙を拭って、恐る恐る玄関のドアを開ける。
すると、お母さんが気付いて廊下に出てきた。