starlight
「矢崎」
「...はい」
「ありがとう。」
「...え?」
「俺は葵が今でも好きだよ。」
「...」
「もう、傷つけない。」
俺はまっすぐに矢崎を見た。
矢崎の目は、もう怒ってはいなかった。
「俺が、葵を守る。絶対」
俺がそう言い切ると、矢崎はフッと笑った。
「頼みますよ。
葵は俺らの大事な人なんですから」
「あぁ。」
それから俺は、少し気になっていることを
矢崎に尋ねた。
「あの、矢崎...」
「何ですか?」
「お前は...葵のこと好きじゃないよな?」
恐る恐る聞く俺を見て、
矢崎はニヤリと笑った。
「好きですよ。」
「えっ!?」
「親友として、です」
「あぁ...」
「俺彼女いますから。ご安心を」
矢崎はそう言うと
手をヒラヒラ振りながら出て行った。
ありがとう、矢崎。