SWEET&HOT~甘いのと辛いのと~

変人美人

アメスト学園の朝。



1年2組ではいつになく騒がしかった。



特に、教室の中央の一番奥に座っている皐月は、鼻歌まで歌っていて、とても上機嫌だ。



「ずいぶんと上機嫌ですわね」



恵子が話しかけたことで、鼻歌がピタリと止んだ。



「そりゃあ、このクラスに転校生が来るんだもん♪上機嫌にもなるよ」



その言葉にため息をついた後、恵子は言った。



「結局…あなたの言った通りになりましたわね」



「言っとくけど!別に私が父親の権力使ったとかじゃないからね!?」



「わかっていますわ。あなたがそんな卑怯なことしないって…知ってますもの」



2人は教室を見回す。



誰もが転校生の噂で持ちきりだった。



良い噂もあったが、実は頭が悪いとか不良だとか…そんな噂もあった。



「編入可能ギリギリの点数で編入ですもの。きっと過去最低の記録ですわ。悪い噂があっても当然ですわよ。…ねぇ?皐月」



皐月を見ると、恵子の予想とは裏腹にニカッと笑っている。



「編入試験で緊張する人、結構いると思うよー?これからに期待してみようよ♪それに、試験の良し悪しで性格の良し悪しが決まる訳じゃないんだからさー!」
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