SWEET&HOT~甘いのと辛いのと~
それをいかにも面白くなさそうな顔で、恵子は見る。



そんな恵子の表情を知ってか知らずか、由香が皐月に問う。



「ずいぶんと楽しそうだね?転校生が来ることがそんなにも嬉しいの?」



その問いには、太陽のようにパァッと笑った皐月の顔が答えだった。



その笑顔を見て、ますます心がモヤモヤする恵子。



「皐月が傷付かないような結果になると良いんですけどね…」



「んー?何か言ったー?」



「いいえ。何も言っておりませんわ。それより、そろそろシスターが来る頃ですわよ?」



3人は、あっと呟き、黒板の上の時計を眺める。



「皐月はともかく、私達はそろそろ席についた方がよろしいんではなくて?」



「そうだねー。じゃあ、恵子ちゃん、皐月ちゃん、翔君…またねー!」



そう言い、由香は自分の席に向かう。



「ほな、俺も自分の席に行くわ。愛してるでー!マイハニー!」



そんなセリフを捨てて机に向かう翔の背中に、皐月も言葉を投げ掛ける。



「愛してるわー!マイダーリン!」
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