SWEET&HOT~甘いのと辛いのと~
そんな2人の様子を見かねて、恵子が寄ってくる。



「ほら皐月、中川さんが困ってらっしゃいますわよ」



そんな恵子の助け船は、いつの間にそこにいたのか、翔と由香の言葉で砕け散る。



「なぁなぁ、俺久木田翔ゆーんやけど!これから仲良うしてなー!」



「藤原由香です。お友達になりましょー」



「2人とも私の話を聞いてまして?」



まぁ…転校生がこのクラスに馴染めるようにするためには、このような馴れ馴れしさもアリかもしれませんわね。



瑠莉はゆっくりと上半身を起こす。



そして自己紹介をした2人を見た。



「…どうも」



そっけなく返した後、次の授業の準備をする。



その時、由香が咳をした。


大きい咳だったが、マスクをしているため、くぐもって聞こえた。



その音を聞いて手を止めた瑠莉は由香を見る。



「あ…ごめん。うるさかった…かな?」



それを肯定するかのように、瑠莉はため息をついた。



その反応にカチンときた恵子。



「なんですの?その反応は。…由香は風邪ひいているのですから、咳の1つぐらいしょうがないんじゃありません?」
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