SWEET&HOT~甘いのと辛いのと~
後ろで声が聞こえたので振り向くと、腰まである黒髪が美しく、綺麗な顔立ちの者が、ソファーの後ろにニコニコしながら立っていた。



委員長と呼ばれた少女と同じ制服を着ている。



「…別にケチなどつけてはいませんわよ。疑問に思っただけですわ。皐月の場合も…別にケチをつけたわけでは…」



皐月と呼ばれた人物は、頬を膨らませ、拗ねたような顔つきになる。



「嘘だー!私の名前のこと、『ややこしい名前ですことー』って言ったじゃん!」



「それはあなたが…!」



そこで少女は疲れたようにため息をつく。



「まぁ、いいですわ。…それより、あなたが私のこと『委員長』と呼ぶだなんて…」



皐月はさっきとは違い、ヘラッと笑う。



「『委員長』って呼ばれた方がゾクゾクするでしょ?いろんな意味で」



「しませんわ。…っていうか、あなたから『委員長』だなんて呼ばれると気色悪いですわ」



「なんで!?」



「理由なんてありませんわよ」



「『理由はない』、『なんとなく』っていうのが一番傷付くんだよなー…」



そう言い、アハハと苦笑い。
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