five

教室を出る時、思わず声をかけてしまった。


「浅丘先生!」

「どうした?」


先生が振り返った。


少し煙草の香りがする。



「携帯番号教えて!」



あたしはとっさに言ってしまった。

先生は少し戸惑ったようだったが、

「後で連絡網作るからな。」

と、言って頭を撫でてくれた。


触れられた部分が熱くて、心臓が騒がしく鳴っていた。


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