five
「いつからって、気がついたら好きだったんだよ。」

俺は開き直った。

まぁ、智子だって気づいてるし、俺って態度に出すぎてんのか?

小那美は全然気づかないだろうけどな。


「幼馴染みに恋するなんてベタだねぇ。」

「うるせぇ。」

「小那美ちゃん可愛いから分からなくないけどねぇ。あたしも惚れそうだよ。」
「バカか。やんねぇよ。」

菜緒と話していると、女と話している気がしない。

姉貴のような、男友達のような、そんな存在だ。

「それって初恋?」

「あいつ以外好きになったことなんてねぇよ。」

俺にとって愚問だ。

菜緒は笑って聞いていた。
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