five
二人で部活の片付けながら、話をしていると、女の子が二人寄ってきた。


「先輩、お疲れ様です!」

新入生の子達らしい。

「先輩達に憧れてこの高校に入ったんです!バスケ部に入部したらよろしくお願いします!」


真新しい制服に身を包んで、はしゃぎながら二人は去っていった。


「罪なオトコだねぇ。」

菜緒はニヤついて言う。

「オレだけに言ってるわけじゃないみたいだけど?」

菜緒は女によくモテる。

長身で顔立ちもよく、そこらの男より男前だ。


「あたしはそっちの趣味はないよ。」

そっけなく言う。



「お前でも男に恋するの?」



菜緒の拳がみぞおちに入った。
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