five
「何話してんの〜?」


呑気な声が聞こえた。

「ウザ男何しにきたのさ?」

「素敵な従兄妹にそれはないっしょ?菜緒ちん…」


京輔が体育館を覗いていた。

「お前まだいたの?」

「慧も待ってたのにひでぇなぁ。オレ泣いちゃうよ?」

「何で待ってたの?」


京輔はよくぞ聞いてくれましたとばかりに、

「慧、合コン行こぉ〜!」

と、抱きついてくる。


「行かないって。」

「人数足らなくてさ〜。」

「無理。」


俺には合コンなんて意味がない。


「わかったよ。違うヤツ誘うし。またね〜!」

ご機嫌で帰って行く。



とりあえず、菜緒の尋問を反らせて助かったけどな。

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