five
「先生のこと好きなの?」

とっさに聞きたくなった。

みるみるうちに、愛羅ちゃんの頬が赤く染まっていった。



「…好きだよ。」

といつもより可愛いらしく言った。

白い肌に頬を真っ赤に染め、大きな瞳で俺を真っ直ぐ見つめる。

一瞬、拐ってしまいたい衝動に刈られた。



突然、携帯の着うたが鳴り、俺の衝動は消えた。


「あ、あたしだ!」

携帯の画面を見て、大きな瞳が更に輝き出す。

直感で、先生かな?と思った。


「あたしもう帰る!バイバイ、京輔!」


俺の名前を初めて呼び捨てにした。


「ばいばい、愛羅。」


俺も後ろ姿に呟いた。



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