five
晴れ渡る空
小春日和
桜の花は満開を迎えている。
学校の前の並木通りはピンク色に染まっていた。
「ねぇ!今日、お弁当外で食べようよ!」
菜緒が提案した。
「いいね!」
あたしと愛羅は頷いた。
ようやく、あたしの人見知りも慣れてきた。
二人とは本当に良い友達になれそうだ。
「俺も入れてよぉ〜」
「京輔はダメ!」
愛羅はいつの間にか、『京輔』と呼んでいる。
京輔くんは、あたしも呼び捨てにしてと言ったけど、慧が睨むから、『京ちゃん』と『こっちゃん』と呼び合っている。
「こっちゃん、俺も入れて!」
「いいよ、京ちゃん!」
慧以外では、初めての男友達だ。
「花見第二回戦だな!」
京ちゃんは今日も明るい。