five
菜緒に絆創膏をもらい、かかとに貼った。

「お前、山登りすんのに新しい靴履くなよ。」

呆れたように慧は言ったけど、あたしは慧の優しさが嬉しくて、笑ってしまった。

「なんだよ?ケガして笑ってんの、キモイぞ?」

そう言って、あたしのおだんご頭に軽くゲンコツをした。

「気づいてくれてありがとう…。」


あたしがお礼すると、慧は耳まで真っ赤にして照れていた。



その時、一台の車が停まった。

「鈴木ファイブさぼるなよ〜」


車の窓から身を乗り出して、浅丘先生がダルそうに注意してきた。

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