【短】Santa claus
「それあげるっ」


「え…?」


思わずあたしは聞き返してた。

でも、三多はハッキリこう言った。


「クリスマスプレゼント!!」


ドキッ


すごく楽しそうに笑った顔を見た瞬間、胸が大きく高鳴った。

顔が熱いのは熱のせいだとしても、このドキドキは何…?


「メリークリスマス♪」


高校生にもなって、そんなこと大声で言って恥ずかしくないの?とか思うことはたくさんあったけど……

三多の無邪気な笑顔を見ると、不思議なぐらいに癒された。


「ふふっ…ありがと」


自然とあたしも笑顔になって、小さくお礼を言った。


「……お大事にっ」


また教室へ向いて歩き出した三多の背中を見送りながら、ギュッともらったマフラーを握りしめた。


マフラーからは、優しい香りがした…。
< 6 / 22 >

この作品をシェア

pagetop