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初デート
 約束の時間、映画館前。うおー、きてしまった! もうすぐ芽衣さんに合える! やばい、楽しみすぎる。

芽衣さん、どんな人なんだろ。可愛くて、スタイルが良くて、声が可愛くて、性格が良い子がいいなぁ。

まあそんな高望みはしないけどね。あんまり期待しすぎると、もしもの場合、ダメージが大きいしね。

顔をまったく知らないわけだし、もしかしたらモンスターみたいのがくることも、ないとは言い切れないわけだし。


 問題は、まず俺に気付いてくれるかどうかだよね。いちおう精一杯かっこいい服装ではきてみたけど。

赤いチェックのシャツに、黒いカーディガン。それから、下は茶色のチノパン。靴も珍しくブーツなんか履いてみたりして。

これが俺の精一杯よ。念のため、シャツの下にはナイトの刺繍が入った腹巻きをつけて、ナイトの刺繍が入った海水パンツも履いてきたけど。


 それに、俺も芽衣さんに気付けるか、だよな。

むしろ、俺が先に見つけないとダメなのか? なんとなく、よくわかんないけど。

可愛い服って言われてもねぇ、なかなかわからないですよ。まいったまいった。


「あの……」


 お、後ろから可愛い声。もしかして、芽衣さん!?

だとしたら、条件その1はクリア。さあ、お顔はどんなかな? そっと振り向いて……。


「あの、あの……ナイトさん……ですか?」


 ……え、ウソでしょ?
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