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『君のための物語』は、本当に悲しいストーリーだ。

ケガをして、野球ができなくなった主人公。

野球だけにすべてを費やしてきた主人公は人生に絶望し、自殺しようかと考え始める。

そこに現れた、一筋の光。それが、ヒロインだった。

彼女に恋をすることで、主人公は少しずつ、前へと進み始める。

だが、高校を卒業し、別々の大学に進学すると、それぞれの運命の歯車が、少しずつ狂い始める……というような話だ。


 隣に座ってる芽衣さんは、開始早々泣き出した。

「ふたりで食べようね」と買ったポップコーンに涙がかかってびしゃびしゃだ。

俺、まだ一口も食べてないんだけど。

自分だけのものにしようってこと? 確信犯?

いや、待てよ。

よくよく考えると、芽衣さんの涙がかかってるんだから、より美味しくなってるんじゃないだろうか。

メイしお味だな。食べちゃおうかしら。手を伸ばしてもいいのかしら。

ていうか、ハンカチとか渡した方がいいのかしら。もってないから、海水パンツでもいいかしら。
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