あなたのメール、代行します。
 元カノって……何だよ、それ。納得いかない。

少なくとも過去には付き合ってたなんて、やっぱり信じられないし。

別れたなら、なんで一緒にいたんだ。俺にはわかんないよ。


「なあ、ナイト。オマエまだ、なんも知らねえんだろ?」


「知らないって、何が?」


「それなら最初から話そう。そのほうがきっとわかりやすいからな」


「だから最初からって、何が?」


「メールの代行サービスってあっただろ? あれ送ってたの、オレなんだ」


「………………は?」


 いやいやいやいや。え、何それ? どゆこと? 全然意味わからん。

やばい、混乱してきた。俺、芽衣さんとのことについて聞いたんだよな。

何でその答えがメール代行サービス?


「どういうことだよ、ブッツン。あれ、恋ファン事務局からだったじゃん」


「……つーか、恋ファン事務局なんて、ホントにあんのかね? オレが勝手に考えただけだからな。試しに恋ファン事務局とやらにメール送ってみろよ」


 しかたなく、件名に「ブツブツの呪い」と書いて恋ファン事務局に送ってみた。

すると本当にブツブツさんの携帯が鳴って「ブツブツの呪い」が届いていた。


「ちょっ、ちょちょーい! ブツブツの呪いって……怖っ!」


 ついでに、携帯に登録されてたクドクドさんのアドレスに同じメールを送ってみた。

今度は「そのアドレスは現在使われておりません」的な返信が届く。


「わかったか? ナイト。つまりオレはアドレスを変えて、恋ファン事務局のフリをしてたわけ。彼女からの電話だってウソついて部屋を出てな。オマエからのメールなんてまずこないから、バレない自信があったのさ」
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