あなたのメール、代行します。
「気を使われたって良いじゃねえか。どうせ自分で送っても返ってこないんだろ? 無料みたいだし、デメリットなんかねえじゃん」


「うん、そうだね。僕、申し込む」


「ちょっ、ちょちょーい! あっさり意見変えすぎだろ! 国民に批判された政治家か!」


「好みの女性のタイプか……えーっと、“幻の先輩”っと」


「ちょっ、ちょちょーい! それじゃわからないだろ! もっと年齢とか趣味とか」


「趣味は書道だろー。あとはなんでもOKと」


「ちょっ、ちょちょーい! それでいいの!? 趣味書道ってのはかなり少ない気がするけど」


「よし、送信完了。あとは返事を待つばかり」


「面白そうだな。返事くるまでサークル活動でもしてようぜ」


「あ、ごめん、俺、急用思い出しちゃった。また別の機会にね」


「ちょっ、ちょちょーい! 合コン終わりに、興味のなかった男からデートに誘われちゃった女の子か!」


 大仏ブツブツのクドいツッコミはほっといて、さっさと部室……じゃなくてサークル室を出る。

ちょっかい出されながらここで返事見るより、自分の部屋で見たいし。

どんな子紹介してくれるのか、ちょっと楽しみだ。
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