◆~恋色模様~◆
.★*゚素顔模様゚*★.
「紫乃はいつも頑張ってるもんな」
「いつも?」
「生徒会も、勉強も。
いっつも真剣じゃん♪」
「あなたよりはね」
「ははは、確かに(笑)」
変な人。
いつも私に話しかけてくるこの人は、バカで、おちゃらけてて。
なのに。
本当は知ってるの。
優しい人だってことを。
いつだったのか。
小学生の頃かしらね。
低学年のときはよく遊んでいたけれど高学年にあがり、絡まなくなっていた私たち。
家の方向が一緒だったからたまたま見たのだけれど。
雨の日、川原に捨てられた子犬を泣きそうな瞳で見ている男を見たわ。
触りたくて、でも触ることが出来なくて。
自分の傘を子犬に差し出して走ってゆく姿。