◆~恋色模様~◆
.★*゚素顔模様゚*★.
俺の言い方が気に障ったらしく、口調が少しきつくなる。
「……あなたを幼なじみだと思ったことなんて無いわ。
それだけ?
私忙しいの。
もう話しかけ無いで」
言いたいことをバサッと言うと教室を出ていってしまう。
紫乃は、綺麗。
言葉遣いも、顔も、髪も。
歩き方も。
才色兼備の大和撫子。
いつも微笑んでて。
高校に上がってから、紫乃が感情を露にするとこ、見たこと無いんだ。
昔はよく笑うやつだったのになぁ。
だからかな。
微笑み以外のなにかを見たいって思うのは。
怒りでも、ゲラゲラ笑うでもなんでもいい。
本当の紫乃が見たい。
人形のような紫乃じゃなく、人間味のある紫乃が。