夢でもいい
朝がきたが、みちるは頭痛がすると言い、学校を休んだ。

時間がどれだけ過ぎただろう。

「ピンポーン」

玄関のベルが鳴った。

―誰だろう?―

のろりとベッドからはい出ると、玄関まで向かった。

「はい、どちらさまですか?」

「みちるちゃん!わたしよ、わたし。」

「あっ、え?京子さん?」

慌てて玄関のドアを開けて、京子を迎えた。

京子は寒さで頬を赤くして、右手に買物袋を持っていた。

「京子さん、どうしたんですか?」

「わたし講義が午前だけだったの。そしたら一也がさ、みちるちゃんが寝込んでるから、様子を見に行って欲しいって。」

「…お兄ちゃんがですか。」

京子は一也の彼女で、みちるも京子になついていた。

「さてと、学校に行きたくない病は治ったのかな?」

京子が靴を脱ぎながら、ニヤリとしてみちるを見た。

「なんだ、お見通しなんですね…。」

困ったようにみちるが笑うと、京子はポンとみちるの肩を抱き、部屋へに入るように促した。

京子が買ってきた紅茶をふたりで飲みながら、京子が聞いた。

「みちるちゃん、何があったの?」

ストレートな聞き方に、みちるは一瞬戸惑い、くすっと笑った。

自分に姉がいたら、京子みたいだっただろうか。

「京子さんにはかなわないなぁ。」

みちるはゆっくりと昨日の出来事を、包み隠さず話した。


みちるが全てを話し終わると、う~んと唸り、口を開いた。

「それはね、9:1でみちるちゃんが悪いね!」

「え?」

以外な答えにみちるは驚いた。

「わたしが悪いんですか?」

「うん、そう。」

しばらくの沈黙の後に、京子が話しはじめた。
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