氷の女王に誓約を

「ちょっとしたパントマイムがあるんだ。初めて見るし、あった方がイメージしやすいだろ?」


俺は言う。


「それに帽子を加えれば、たちまちエキシビナンバーに早変わり。一石二鳥ってね」


「おお! 一口で二度おいしいってやつだね!」


「いや、ちょっと違うような……」


思わず苦笑い。今度国語の勉強を見てやろう。


大塚さんに目で合図をすると、CDを再生させる。


朝飛と二人で編曲した音楽が鳴り始めると、軽快に氷を蹴った―――




「という感じだけど、如何でしょうか朝飛くん?」


ジャンプを外して一通り滑り切り、依頼主に評価を求める。


朝飛のご期待にそえるよう作ってみたが、彼は気に入ってくれるだろうか?

< 102 / 400 >

この作品をシェア

pagetop