氷の女王に誓約を

クスクス笑う大塚さん。


確かに“チョイ悪”というよりかは“小悪魔”の方がしっくりくるかも。


人間に全く害を与えない、ドジっ子悪魔が脳内に現れる。


俺も人のことは言えないけど、朝飛に“大人の雰囲気”はまだ早すぎるか。


釣られて俺も吹き出してしまい、さらに朝飛の機嫌は悪くなる。


「俺だってリンクに立てば大人の雰囲気ぐらい出せるよ! 三年間もの間、紳士の国にいたんだからね!」


「紳士の国じゃなくて、飯マズ国家じゃないか?」


「あっちの料理は日本人には合わないからね」


「うぅ、それは否定できない……」


思い当たる節はあるようだ。


そういえばあっちに暮らしている間は、日本人のお手伝いさんを雇っていたっけ。


よっぽど耐えられなかったのだろう。イギリス料理が。
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