氷の女王に誓約を
そして到着した会場。
あちこちからフラッシュが飛び交い、何十台というカメラがこちらに向けられる。
うぅ、緊張するなあ。下手したら試合よりも緊張するかも。
記者さんからの最初の質問は、五輪に関することだった。
「安西選手はバンクーバー五輪の金メダル最有力候補と言われてますが、自信のほどはありますか?」
「そうですね……まだ代表に選ばれたわけではないので、自信があるないといった感情はまだありません。メダルを取ると言うよりも五輪に出場したいという想いが強いです」
これは本音。自信云々の前に、まずは代表権を勝ち取らなければならない。
「では、代表権を勝ち取る自信はありますか?」
「正直言うとありません。今シーズンから大幅にルールが改正されたので、自分の演技がどのように評価されるのか全くの未知数ですし、少し怖いです。なので初戦のNHK杯で自信を付けて、良いスタートが切れればなと思います」
良し、完璧だ。完璧な受け答えだ。
どうだ朝飛キュン。これが大人のインタビューだぞ。