氷の女王に誓約を

このまま動き出したらエクゾシストだなと想像しながら近づくと、朝ちゃんの身体からフローラルな香りが漂った。女子かっ!


一体どんなシャンプーを使ってるんだろう。ぜひとも教えていただきたい。


シャンプーの銘柄を聞こうと口を開きかけたら、朝ちゃんの髪がまだ濡れているのを発見した。


なるほど。だから匂いが強かったのか。


「って、髪ちゃんと乾かさないと風邪引いちゃうよ。髪も痛むし」


「えー大丈夫だよ。自然乾燥で十分」


「ダメ! ちょっとそこに座りなさい!」


急いで部屋に用意されているドライヤーをゲットして、コンセントを差し込むとベッドに乗って膝立ちをする。


「ほら、こっち来て」


手招きして朝ちゃんを呼び寄せる。


それでもしぶる朝ちゃんの手を無理やり引いて、私の前に座らせた。

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