氷の女王に誓約を

膝立ちの私の前に胡坐をかく朝ちゃん。よし、これで準備OK。


「ちょ、美優姉!」


「大人しくお縄につきなさい」


ドライヤーのスイッチを入れるとブーンっと重音を響かせる。


安物のドライヤーだと証明するようなうるさい音だけど仕方ない。


とにかく朝ちゃんの髪を早く乾かさなければと思い、強風を朝ちゃんの髪に吹きかけた。


空いた左手で朝ちゃんの髪をガシガシする。


朝ちゃんも諦めたのか、大人しくドライヤーをかけられている。


「むぅ……なんか屈辱的」


なにやら不満を口にしてるけど気にしない。ちゃんと髪を乾かない朝ちゃんが悪いんだから。


なんだかお母さんが我儘な子供にドライヤーをかけているみたいで笑えてくる。


けどここで噴出したら朝ちゃんの機嫌がもっと悪くなると、お口をミッフィーにして封印した。
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