氷の女王に誓約を

あっという間の出来事で、背中にはベッドのふかふかな感触が伝わり、瞳は天井を写している。


そして視界に入る朝ちゃんの顔。


眉を寄せ唇を一文字に結んでおり、読み取るのが難しい複雑な表情を朝ちゃんは浮かべている。


朝ちゃんの顔をジーっと見つめて、やっと今の状況が理解できた。


私、朝ちゃんに押し倒されてる。


起き上がろうとしても、両肩を押さえられて身動きできない。


いくら朝ちゃんの身体が私とそんなに変わらないからって、そこは男の子。力じゃ敵うわけがない。


もしかして、本気で怒らせちゃった?


ていうかこれ、所謂マウントポジションって奴じゃないか。フルボッコされる体勢じゃないか。


朝ちゃんが殴りかかるなんてことは絶対にありえないけど、初めて体験する朝ちゃんの行動と表情に悪寒が走った。


「ドライヤー、気持ち良くなかった?」
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