氷の女王に誓約を
わからない。わからないよ……。
「……タクちゃんと、喧嘩したの?」
「違う!」
「日本での生活が辛い?」
「違う!」
「私のことが嫌いになった?」
「だから全然違う!」
視線と視線が絡み合う。
「美優姉のことが好きなの!」
真っすぐに射抜かれた言葉と視線は、私の心臓をおかしくさせるには十分すぎる威力だった。
「美優姉のことが好きだから怒ってんの。タク兄に嫉妬してんの。ちょっとは俺の気持ちわかってよ……」
カァッと一気に紅潮する頬。