氷の女王に誓約を
私も今、朝ちゃんと同じ表情をしているだろう。
驚きとドキドキと少しの不安が複雑に絡み合って、自分でもわけがわからなくなる。
「ダメ?」
声が降る。
なにか言わなくちゃ。なにか言わなくちゃ。
でもなにを言えばいい? なんて答えればいい?
朝ちゃんはタクちゃんの弟で、実の弟のような存在で。
私自身も三人兄弟の二男坊みたいな感じで二人と接してきて。
そんな恋愛対象として一度も見たことなんかない。
でも、じゃあ、どうしてこんなにドキドキしてるの?
なんにも思っていないのなら、恋愛対象として見たことがないのなら、どうして私はこんなに動揺しているの?
「……わかんない」