氷の女王に誓約を
俺がなにか言う前に、大介は朝飛の腕を引いたまま勝手にズンズン中に入って行く。
そして朝飛をベッドに突き飛ばすと、恐ろしい形相で朝飛を睨みつけていた。
「チビ助がそんな顔しても、玩具をとりあげられた子供にしか見えないよ〜」
わざとお茶らけてみたけれど、大介は視線を外さずジィッと朝飛を睨み続ける。
俺の挑発に乗らない? まさかマジギレ真っ最中?
二人の様子から察するに、朝飛がなにか大介の気に障るような言動をしたと考えるのが妥当だろう。
だが二人の間で揉め事があったとは到底思えない。
タクと大介の仲は、大介が一方的に敵視(ライバル視)しているため、正直仲が良いとは言い難い。良い関係ではあるけれど。
だがタクの弟である朝飛との仲は比較的良好だ。
朝飛は尊敬する選手は誰かと問われれば、真っ先に大介の名を上げる(ちなみにミューちゃんは“神”らしく信仰の対象らしい)
大介も以前、注目しているジュニア選手として朝飛の名を上げていた。