氷の女王に誓約を
こんな状況で話なんか聞き出せない。
とりあえず暴言魔と化している大介を鎮めて、近くにあった椅子に座らせた。
飲み物を用意して一息つかせる。
その間に涙と鼻水でグチャグチャになっている朝飛にティッシュを手渡し、少しでも落ち着かせようと背中を擦った。
まるで子供の喧嘩の仲裁をしている学校の先生みたいだ。いや、幼稚園の先生か。
大介はまだ睨みを利かせているが、多少は落ちつきを見せている。
朝飛の方も一通り泣きじゃくって、なんとか会話が出来る状態まで回復した。
ちなみに俺はイライラがマックス状態。そりゃそうだ、俺は子守りのためにこの合宿に参加したわけじゃないのだ。
「それで、どうしてジュニアは泣いてるんだ?」
完全に素の状態で尋問開始。これ以上優しくなんか出来るか。
朝飛はまだポロポロ涙を流すが、嗚咽交じりに事の経緯を語りだした。
「美優……姉が、部屋にっ……きて」