氷の女王に誓約を
ミューが部屋に来て?
なるほど、ミューちゃん絡みの一件か。どうりで大介がマジギレしているわけだ。
「それで……グズっ……髪の毛、乾かっ……して、くれて」
髪の毛を乾かす? 嗚呼、ドライヤーをかけてくれたのか。
背後からガタッという物音がしたので、顔だけ向けて大介に視線を送る。
案の定「髪の毛を乾かす」というキーワードに反応したようで、強く拳を握りしめていた。
ドライヤーくらいで一々過剰反応するな。これだからDTは。
「それで、ドライヤーをかけてもらってどうした?」
「話をっ……して。けど、タク兄のっ……話っ……ばっかで」
ん? 話の雲行きがおかしくなり始めた。
まさか……いやいやそんな。そんな少女漫画みたいな展開がこんな冴えないホテルで起こるはずがない。
大介なら理性が弾け飛んでそういったこともするだろうけど、中坊の朝飛がそんな大それたことを―――