氷の女王に誓約を

ましてミューちゃんは恋愛初心者。


ネイティブな発音で“I love you”を囁かれたら、かなりグッとくるだろう。


……と、無理やり納得してみる。


「へぇ……で、キスの一つや二つはしたの?」


「なっ……!?」


もしこれが漫画やアニメだったら、朝飛の頭からボッと白い湯気が出ていただろう。


そして後ろの喧しいクソガキからは、メラメラと激しい炎が背景に映っているはずだ。


ブンブンと首が千切れるんじゃないかと心配になるくらい、朝飛は首を左右に振って否定をする。


なるほど、大体事情はわかった。


あと一歩という所で、大介が邪魔に入ったのだろう。


「けど、まさかジュニアがミューちゃんをね……。まさか日本に戻ってきたのもそれが理由?」


「ち、ちがっ……違う。一番の理由っ……は、五輪。ちょっとはっ……あった、けど」
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