氷の女王に誓約を

「な、なんも言ってねえよ! ていうかどうすんだよ! お前、恋のキューピットなんだろ。この変態エロ紳士をさっさとロンドンに強制送還させろ!」


「無理に決まってんだろ。ていうかお前さっきからギャーギャーうるさい。喚くな」


少し睨みつけてやったら、舌打ちをかましてドスンッと三度椅子に腰かけた。


しかし、ここに来て第三勢力の介入か。


タクが大きくリードしているかと油断していたら、まさか実の弟がレースに参戦。しかもぶっちぎりの首位独走。


いいじゃんいいじゃん。面白くなってきた。


このままいけば朝飛の消化試合といきそうだが、如何せん本人がこのヘタレっぷりだ。


ヘタレ系俺様男子?


なにその新ジャンル。どう足掻いても流行りそうにはないな。


「美優、姉とっ……もう、顔っ……合わせ、らんない」


とか言ってる始末だし。


後悔するなら押し倒すなよ。そしていい加減泣きやめ。
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