氷の女王に誓約を
慰めるように私の頭を撫でてくれる。
優しい眼差しを向けながら、奈々は口元に弧を描いた。
「私たちは朝飛くんがどういう人なのか知らないし、ミューちゃんにとってどれだけ大切な人なのかもわからない。だからミューちゃん一人で答えを出すしかないの」
でもね、と舞は続ける。
「一杯悩んで一杯考えればいいと思うよ。正しい答えなんて誰もわからないし、だから最後に後悔しないようにゆっくり答えを探せばいいんじゃないかな。私たちはなにも出来ないけど、こうやって話を聞くことぐらいなら出来るからさ」
「奈々……」
私って泣き虫だ。
優しくされただけで涙が溢れそうなんだもん。
たまらず奈々に抱き付くと、背中をポンポンと叩きながら抱き返してくれた。
「私、奈々と付き合う! 奈々のお嫁さんになるー!」
「いや、奈々にも選ぶ権利があるから」